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6歳未満の臓器提供2例目 脳死と診断 課題は?(2) [危機管理とは]

脳死と判定されるまで⇒http://hiro-think.blog.so-net.ne.jp/2014-11-23-1

<初めての6歳未満の臓器提供>


2010年の改正臓器移植法の施行後、2012年6月14日に、富山大病院に低酸素脳症で入院していた6歳未満の男児を脳死と判定しました。これは15歳未満からの臓器提供としては2例目でもあります。

臓器提供に当たり移植ネットは、男児が生前に臓器提供を拒否していなかったことを、家族の証言や健康保険証の記載などで確認を取りました。心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸、眼球を家族は承諾し、15日正午から摘出手術が行われました。

10日:脳死状態と診断
12日:移植ネットのコーディネーターが両親に臓器提供について説明。両親親族8人の総意で決断。
13日午前:1度目の脳死判定
14日午後:2度目の脳死判定
15日正午:摘出手術

なお、初めての15歳未満の脳死判定は、2011年4月に行われました。




<脳死下での臓器移植の課題>


家族の承認で脳死移植が可能となったとはいえ、まだまだ問題が山積みです。
その背景には医療制度の違いがあると指摘されます。

日本では脳死状態になっても医療機器による治療を続けますが、欧米では脳死と判断した時点で全ての治療を終了します。また、世界のほとんどの国で「脳死は人の死」とされ、脳死下での臓器移植が日常の医療として確立されていますが、日本の臓器移植法では、「脳死を人の死」とするのは、臓器を提供する意思がある場合に限られるのです。

臓器提供を前提にして「脳死は人の死か」を議論するのは誤解を招く恐れがあるため、「自分や家族が脳死になった場合に、臓器提供したいか」を考えたほうがいいでしょう。

また、日本の臓器提供数が少ないのも問題として取り上げられています。100万人あたりの臓器提供者数で数えた場合、日本は1人にも満たないのです。
更には、最愛の子どもを亡くしたばかりで気持ちの整理ができていない両親に、法律に基づいて虐待の有無を調べられるのは負担感が大きいということも挙げられます。

このような日本の医療事情では、海外に渡航して移植を受ける患者が相次具のもおかしくはありません。また途上国では外国人向けの臓器売買が、貧困ビジネスとして横行しています。

現場の負担が大きく、脳死下から臓器移植に至るまで進めづらいのも問題となっています。臓器移植関わる全ての人の負担をいかにして減らしていくかを考えていく必要がありそうです。
そうしなければ日本国内で脳死が人の死として認められず、助かるかもしれなかった命も奪ってしまうことになりかねません。

現状の医療が続く限り、まず日本で臓器移植を望むことができないままであるのは5年、10年、いや50年経っても変わらない、そう私は思います。







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