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ブラック企業の仲間入り?セブンイレブン一人勝ちの理由とは [社会のひずみ]





「セブンイレブンはブラック企業なのか?」
数年前からそのようなことを言われている、現在日本最大手のコンビニエンスチェーン、セブンイレブン。
セブンイレブンがブラックかどうかを見ていくために、まずはコンビニのおおよその労働時間を考えてみましょう。

まず繁華街に入ると、確実に24時間開いています。
セブンイレブンほどになると、開いていない店のほうが珍しいぐらいです。
そしてコンビニの特殊な形態として、フランチャイズ店(以下FC)と直営店が挙げられます。
こちらのFCに関しては後ほど説明することにします。

基本労働時間は大まかに早朝勤、日勤、早夜勤、深夜勤となります。
バイト時給は県の最低賃金+50~150程度で募集されていることが多いです。
そして店の入り口の張り紙を見れば分かるとおり、大体常に募集されています。
文字通り人手不足と取っていただいて構いません。
コンビニに限らず小売業業界は常に人手不足ですね。

すき屋で話題になった「ワンオペ」ですが、これはコンビニでも例外ではありません。
深夜にコンビニに行くと、大抵男性店員が一人で切り盛りしています。
これではいつ強盗に遭ってもおかしくないですね。

しかし、皮肉にもバイトはまだマシだ…というのが、コンビニです。
うっかりFCを経営したら、まず人手に悩まされ、次にお金に悩まされ、最後に命に悩まされる。
一応正社員の方は17時半で帰れるようですが、FCオーナーだとそうはいきません。
個人の経営だと、店長が常に店に立っていることもままあります。
いつ行ってもいる人がいますよね?
「この人、いつ休みを取っているんだろう?」と思ったら、その人が店長やオーナーだった…などということはザラなのです。
なので、FCに休みはないと考えていいでしょう。

次に離職率です。
これはその企業がブラックかどうか見極めるときに、大きな指標のひとつとなります。
コンビニなどの小売業は軒並み高いですが、セブンイレブンとて例外ではありませんでした。
入社3年以内の離職率は19.6%、5人に1人がやめる計算です。
同じフランチャイズ店のスターバックスは16%、マクドナルドは32.3%です。
常に人員を募集し、新卒&中途の大量採用を繰り返しているのが小売業です。

なぜやめていくのかの理由は、やはりFCを泣かせて成り立つシステムに良心が耐えられなくなった、というのが多いようです。
自爆営業のある郵便局と同じで、コンビニにも自爆営業がありました。
またクリスマスケーキや土用のウナギなど、自腹で買わされる現実が蔓延っています。
イベントごとに行われているらしく、ケーキが高速のSAに捨てられていたりとかする話がもはや都市伝説と化しているほどです。

そのような中で、2013年度コンビニ別の国内店舗売上高を確認しました。
もちろん断トツでセブンイレブンのひとり勝ち状態、売り上げは3兆7000億を突破しています。
ローソンやファミリーマートは2兆弱と、倍近い差を見せつけるセブンイレブン。
24時間いつでも開いていて、欲しい時に欲しいものが手に入るコンビニ。
最近ではATMも設置して、サービス面では銀行にすら圧勝しています。

これにはTVでの宣伝効果も大きく感じます。
「近くて便利、セブンイレブン」「あなたとコンビに、ファミリーマート」という宣伝は大抵の人が聞いたことがあるでしょう。
ただ、ローソンの宣伝はあるにはあるのですが、内容を思い出せないほどインパクトが低いのです。
最近になってファミリーマートがローソンの売り上げに追いついてきたのは、これらの宣伝効果も大きいのではないでしょうか。
遅くても再来年度あたりにはファミリーマートがローソンの売り上げを抜き去りそうです。

ここまで書いてきましたが、セブンイレブンが他のコンビニに比べてブラックだと言われるのは、まさにFCの存在です。
世の中には「セブンで3カ月働くと経営学を語れる」といった本がありますが、それだけ仕事の内容がハードだということの裏返しとも言えるでしょう。
あまりにもノルマが多すぎてやる気が起きない、というのはまさに本末転倒。

更にひどいことに(これは他のコンビニでもあることなのですが)、FCが売り上げを出しているエリアがある場合…なんと直営店がそのエリアに乱入してくることが多々あります。
コンビニから横断歩道をひとつ渡り、ホテルをひとつ過ぎるとそこは同じコンビニだった。
なんて笑い話ではありません。
結果FCが潰され、オーナーは多額の借金を背負うことになる…というのが、まかり通っているのです。

セブンの中には、四生五○(調べてみてください)という言葉があります。
4000万までは借金でなんとかさせろ、5000万になったら…
最近セブンイレブンは東北地方に店舗を拡大していますが、その中で自ら命を絶ってしまったFC店長が3人もいるのは、異常です。
またFCはロイヤリティを納めねばならず、これも売上を素直に喜べない一因となっています。
コンビニエンスストアは「粗利分配方式(粗利×パーセンテージ)」という、加盟店側の儲けを丸ごと持っていってしまうシステムを取っているのです。
なお、他の小売業では「売上歩合方式(売上×パーセンテージ:加盟店の売り上げに関係なくロイヤリティを獲得できる、本部本位のシステム)」や、「定額方式(固定金額:支払額に変動がないため資金管理が楽)」を取っています。
ここまで書いて来て、便利さの陰に潜むブラックの影を感じずにはいられません。

さらに驚くべきことにFC発祥の地であるアメリカには、なんとFC規制法はありません。
もちろんロイヤリティの規制は、あります。
しかしそれはアメリカの一部の州だけなのです。
「日本のビジネスはアメリカを追従する」傾向があるということですが、確かにこのFC形式は、アメリカでは100年以上も前から存在していた商売方法です。
アメリカに限らずかく国で作られたものを独自改良するのは日本のお家芸ですが、さすがにこのFC形式を知ったらアメリカ人は驚くことでしょう。
”Japanese so mad!”

最後になりましたが、これからのコンビニ業界に関して私見を述べます。
現在日本では地域によって店舗数の多いコンビニが異なり、おおよそ6社が競っています。
しかしセブンイレブンの店舗進出により、東北を主体としているコンビニや、地元に根付いていたコンビニは徐々に淘汰されていくでしょう。
現在の携帯電話会社はYahoo!モバイルが新たな風を巻き起こしていますが、最終的に残る3社に対抗するだけのコンビニがこれからの統廃合で出てくるかどうかは、まだ未知といった状況です。








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